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  交通エコロジー・モビリティ財団 交通環境対策部
第4回 EST交通環境大賞の審査結果
   

【大賞 国土交通大臣賞】岐阜市
「バスで『ひとも元気、まちも元気』〜岐阜市総合交通戦略〜」

(概要)
 岐阜市では、高齢化の進展や本格的な人口減少時代の到来、地球温暖化防止等の観点から集約型都市構造への転換をめざしている。その実現に向け、過度に自動車に依存した交通体系を見直し、公共交通や自転車など様々な交通手段がベストミックスした交通体系へ転換を図り「だれもが自由に移動できる交通環境社会」の形成を進めている。平成18年3月「岐阜市総合交通政策」、平成21年3月「岐阜市総合交通戦略」を策定し、市民や交通事業者と連携し、全交通モードを対象とした様々な交通施策を総合的かつ重点的に推進している。特に公共交通においては、幹線・支線・コミュニティバスが連携したバスネットワークの構築を図ることとしており、幹線バス路線の強化、バス利用環境の改善、交通行動転換に向けた啓発活動、住民協働のコミュニティバスの推進等を進めている。こうしたバス利用促進活動により、交通面からも環境負荷の軽減を進めるとともに、ひともまちも日本一元気な県都・岐阜づくりが進められている。

市内における幹線・支線・コミュニティバスによる公共交通ネットワークの形成をめざす中、幹線バス路線の強化に向けた「岐阜市型BRT」化においては、連節バスの導入、バスレーンの整備、乗継拠点やバス停上屋の整備・充実により、多くの市民にバスといった交通手段を再認識してもらうとともに、公共交通の信頼度(定時性や速達性など)を向上し、交通行動の転換を促進
同時に、ICカード、バスロケーションシステム、ノンステップバス、ハイブリッドバス等の導入により「バスの利用環境の向上」に努め、バス交通の利便性や円滑性を確保
加えて、岐阜市内バスマップ、地域別お出かけバスマップなど利用者目線に立ったバスの利用案内を行うとともに、クルマの使い方を見直す小冊子等を用いたTFPを実施し、交通行動転換に向けたモビリティマネジメントを実施
市職員による通勤時月2回のノーカーデーを実施するとともに、市内の企業・大学・関係行政機関が一体となった協議会を設立し、モビリティマネジメントを促進
市民協働の手づくり「コミュニティバス」の導入により、住民自らが運行計画をたて、経営感覚をもって運行を行うなどのシステムを構築

(受賞理由)
 幹線・支線・コミュニティバスによる優れた公共交通ネットワークが形成されている中で、「岐阜市型BRT」として、連節バスの導入のみならず、バスレーンの整備、乗継拠点やバス停上屋の整備・充実などが一連のシステムとして機能しており、市民が公共交通へ利用転換していることで一定の環境改善効果を得ていることが評価された。



【大賞 環境大臣賞】豊田市
「豊田市交通まちづくり行動計画」

(概要)
 豊田市は、東海地方唯一の「環境モデル都市」に選定され、先進的な技術を導入し、活力ある低炭素社会の実現に向けた取組を産学官民の共働で実施している。また、過度なモータリゼーションを抑え、自動車と公共交通が調和した交通体系を実現していくことが必要とされるため、市民や企業と協力してITSやTDMをより一層展開すると共に、世界に誇れる「かしこい交通社会」の実現を基本理念とした「交通まちづくりビジョン2030」と短期行動計画となる「交通まちづくり行動計画」を平成24年3月に策定した。
「かしこい交通社会」を理念に、「移動円滑化」、「環境」、「安全・安心」、「魅力・活気・交流」の4つの基本目標を軸に、世界の最先端技術のITSやTDMを取り入れた交通環境システム構築を目指している
交通環境における主な活動として、公共交通の促進では、バスネットワークの構築や、バスロケーションシステムによる到着情報の提供を実施、環境対策としては、クルマのまちの強みを活かし、太陽光充電施設整備やPHVの一般利用事業、EVやPHVの補助金制度による普及促進や基幹バスには燃料電池バスを導入
また、次世代環境技術を一般の方でも体感(見える化)できる「とよたecofultown」を設立
さらに、無公害で環境に優しい自転車やパーソナルモビリティを総合都市体系の中に組み入れるため、自転車走行空間の整備や社会実験を行い普及・利用促進
ウェブサイト(みちナビとよた)を活用した環境、公共交通、ITS及び観光等の情報発信を行っており、今後プローブデータを用いたエコドライブ診断やヒヤリハットポイント、エコルートの提供等移動支援システムの提供に向けた検討を実施

(受賞理由)
 渋滞対策や公共交通利用促進といった基本的な対策を充実させると共に、太陽光充電施設整備やPHVの一般利用事業、EVやPHVの補助金制度による普及促進、燃料電池バスによる基幹バスの導入、自転車やパーソナルモビリティを総合都市体系の中に組み入れるなど多くの最先端の取組を推進していることが評価された。



【優秀賞】福山都市圏交通円滑化総合計画推進委員会
「備後のCO2削減『ベスト運動』を核とした発展的なモビリティ・マネジメント施策の展開」

(概要)
 福山都市圏交通円滑化総合計画推進委員会では、交通円滑化総合計画(平成14年3月策定)について、地域交通渋滞の緩和や環境負荷の軽減を目的としたソフト施策を重点施策と位置付け推進してきた。
 平成15から平成16年にノーマイカーデーを試行した結果、高い効果が確認されたことから、平成18年より通年的ノーマイカー運動として「ベスト運動」を実施している。また、その他施策を定着支援施策として連携させ、重層的・発展的に包括的なモビリティ・マネジメントを推進している。

「ベスト運動」は平成15から平成16年に試行された結果、高い効果が確認されたことから、平成18年より本格実施している通年的ノーマイカー運動
ベスト運動を支える定着支援施策として、“市民の意識変化を促す”「企業・居住地TFP」、「小学校TFP」、「交通まちづくりフォーラム」や、“参加しやすい環境づくり”として「交通情報提供システム」、「中心部レンタサイクル」、「自転車走行空間整備」などを実施
近年は「小学校TFP」として、身近なバスに着目したバス調べ学習を福山大学と連携し毎年4校で実施
平成21年に「福山都市圏自転車走行空間整備計画」を策定、自転車通行環境の社会実験、整備を実施するとともに、平成23年度には自転車利用促進計画を策定

(受賞理由)
 企業では約9割、市民では約8割から認知されているベスト運動は、福山都市圏に広く定着し、会員が18,000人を超え、100社以上の協賛を得るに至っている。また、居住者TFPや小学校TFPも定着し、継続的な活動となっている。バスや自転車等の利用促進に向けた課題はあるものの、ソフト面の優れた対策が評価された。


【奨励賞】京都環境保全対策会議
「自動車運転免許更新時モビリティ・マネジメント」

(概要)
 京都府では、府人口250万人のうち自動車運転免許保有者は150万人であり、年間約30万人の方が免許更新時講習を受講している。この機会を活用し、府運転免許試験場の講習会場において「かしこいクルマの使い方を考える」啓発資料を配付することで、5年間の取組継続後には、府内のほとんどの免許保有者には一度は本資料による啓発を行ったこととなる。
 平成19年に本取組を開始して、平成24年度で1サイクル5年をむかえたところであり、運転免許更新時を活用するモビリティ・マネジメントとしては他に例がなく、かつ、150万人規模の者を対象とする全国最大規模の取組である。
 アンケートによる継続的な効果計測の結果、クルマ利用量が2〜4%減少し、一方、公共交通利用回数が4〜10%増加するなど、交通行動変容の効果が面的に得られている。結果、5年間の取組により54,000tのCO2削減効果を確認している。

京都府では、府域150万人の自動車運転免許保有者が5年に1度は受講する免許更新時講習時に、不要不急の自動車利用を見直す「かしこいクルマの使い方」の情報を記載した京都府独自の啓発資料を配布する取り組みを平成19年度より実施
運転免許更新時を活用するモビリティ・マネジメントとしては他に例がなく、京都府、京都市、京都国道事務所、府警察本部といった主体が資料作成、効果計測、講習等を役割分担し展開してきたことに特徴
平成24年8月末で満5年が経過。1サイクル5年にわたる継続の結果、ほとんどの免許保有者には一度は本資料により啓発

(受賞理由)
 京都府では、府域150万人の自動車運転免許保有者が5年に1度は受講する免許更新時講習時に、不要不急の自動車利用を見直す「かしこいクルマの使い方」の情報を記載した京都府独自の啓発資料を配布している。この取組は他の都道府県でも参考になると共に、一定の環境改善効果が予想されることが評価された。


【奨励賞】十勝バス株式会社
「お客さま密着!40年ぶり利用者増加に向けた多様な取り組み」

(概要)
 十勝バスは地域(行政、各協議会等)との連携によりバス利用促進策を展開してきたが、自社単独の取り組みも精力的に展開してきた。段階的な経費削減だけでなく、「必要最低限の足を守る」、「選択と集中」を基本方針と、住民戸別訪問、目的別時刻表の作成配布、対象を特定した利用促進、魅力的な企画乗車券の販売など多様な取り組みをおこなってきた。その結果、平成23年度には40年ぶりの利用者増加(増収)といった具体的な成果へとつながった(現在もさらに、増加傾向にあります)。

「住民戸別訪問」による営業活動を実施
市内バスマップの作成やそのエリアにあった目的別時刻表の配布(動機付け情報付)、移動手段と目的地をパックにした企画商品「路線バスパック」の販売、通学・通勤定期券の土日乗り放題、免許返納者割引等を実施
帯広市や地域協議会で進めるバスに関する取り組みについて、フレックスバスの実証運行など新規的な取り組みを実施
路線バス車内をはじめ市内で幅広く廃食油(てんぷら油)を回収し、これを原料としたBDF(Bio Diesel Fuel)をバスの燃料として活用するなど、環境改善とバス利用促進をセットした取り組みにも協力、現在では関連会社のガソリンスタンドでBDFを販売しながら普及啓発を実施

(受賞理由)
 住民戸別訪問による営業活動を実施し、市内バスマップや目的別時刻表の配布、移動手段と目的地をパックにした企画商品の販売、通学・通勤定期券の土日乗り放題、免許返納者割引等の様々な取組を推進することで利用者を増加できたことと共に、廃食油(てんぷら油)を回収し、BDFをバス燃料にする取組を定着させることができたことが評価された。

     
     
 
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