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  交通エコロジー・モビリティ財団 交通環境対策部
第7回 EST交通環境大賞の審査結果
   

【大賞 国土交通大臣賞】仙台市
「仙台市における環境負荷低減に向けた公共交通推進の取り組み」

(概要)
 仙台市では、平成22年11月に策定した「せんだい都市交通プラン」のもと、将来にわたる市の持続的発展と環境負荷低減を目指し、平成27年12月に開業した地下鉄東西線整備も見据えたうえで、市民が暮らしやすさを実感できるまちづくりを進めるため、定時性、速達性に優れた鉄道を最大限に活かし、鉄道にバスが結節する、公共交通を中心とした、過度にクルマに依存しない交通体系の構築を目指してきた。少子高齢化や人口減少などの社会状況の変化に対応するため、従来の交通施策の課題を踏まえ、3つの基本方針を掲げ、総合的・戦略的な施策を推進している。

方針1:公共交通の更なる利便性向上
軌道系交通軸の完成(地下鉄東西線の整備)
東西線開業に併せた鉄道と連携したバス路線再編の実施による鉄道圏域の拡大
駅前広場及びP&R駐車場整備による鉄道・バスの乗継利便性向上
IC乗車券の導入
東西線結節駅周辺100円均一及び地下鉄200円均一運賃など利用しやすい運賃サービスの提供
都心100円均一運賃及び学生フリーパスの導入
バリアフリーの推進(駅舎バリアフリー化、低床バス車両導入)
対象者に併せたモビリティ・マネジメントの展開(転入者、大学生、小学生、企業 等)
公共交通利用促進市民参加イベント開催  等
方針2:都心の交通環境改善
仙台駅東西の駅前広場の機能強化
仙台駅東西自由通路の整備
コミュニティサイクル(DATE BIKE)の導入  等
方針3:市民協働の取り組みによる地域の足の確保
市民協働により暮らしを支える地域の足を確保(坪沼地区乗合タクシー導入)
専門家派遣制度活用による地域交通検討支援(青山地区における検討)  等

(授賞理由)
 地下鉄東西線開業を見据え(平成27年12月6日開業)、「せんだい都市交通プラン」のもと取り組んできたハード、ソフト両面からの様々な交通環境対策を高く評価した。鉄道と連携したバス路線網の再編では、フィーダー化を進めるため、約60回に及ぶ住民への説明会を開催し、利用者の理解を得ながら取組を推進している。駅前広場、P&R駐車場、駐輪場整備など交通結節点の機能強化を図るとともに、コミュニティサイクル「ダテバイク」により端末交通もサポートしている。また、企業、転入者、大学生、小学生など多様な対象者への総合的なMM「せんだいスマート」など、継続的なMMにより公共交通機関の利用促進を図っている。一連の多様な交通環境対策を総合的な交通まちづくりの中に位置付け、中長期的な視点で継続した取組を行っていることから、大賞を授賞することとした。



【大賞 環境大臣賞】南海電気鉄道株式会社
「南海電鉄中期環境目標」

(概要)
 南海電気鉄道株式会社では、グループ全体で継続して環境保全活動を実施するため、中期環境目標(平成23年度〜平成26年度、平成27年度〜平成29年度)を策定し、@環境保全に配慮した事業活動の推進、A地域社会との協働、コミュニケーションの強化、B環境経営に係る情報発信機能の強化、C環境経営の推進体制の強化の4つの取組を推進している。以下に示す具体策により、グループ35社のCO2排出量を平成22年度に比べ平成26年度8.6%の大幅削減を実施した。

@環境保全に配慮した事業活動の推進
VVVF車両の導入やVVVF化改修、鉄道照明のLED化
南海バスにおける100%ドライブレコーダ設置によるエコドライブの実施
泉佐野駅と泉大津駅の太陽光発電設備、ボートレース住之江の太陽光発電所の設置
「なんかいの森」の森林育成によるオフセット・クレジットの活用  等
A地域社会との協働、コミュニケーションの強化
大阪府との「グリーンパートナー協定」、「おおさか生物多様性パートナー協定」等を締結し、協働で環境保全活動の実施
「極楽橋森林整備プロジェクト」、「竜王渓森林整備プロジェクト」、「多奈川ビオトープ活動」、「共生の森イベント」、「なんばエコプロジェクト」等の地域と連携した環境保全活動及び生物多様性保全活動、社員による環境ボランティア活動の実施
高野山・世界遺産きっぷ等の企画きっぷによる公共交通利用促進と環境配慮の普及
他社商業施設・駐車場とも連携したパーク&ライドの実施
都心に憩いの場や人が集う場所を提供するため、なんばパークスのパークスガーデンを運営  等
B環境経営に係る情報発信機能の強化
社内において、環境への取組を「マンスリーレポート」としてとりまとめ、社内電子掲示板、一斉メールにより情報発信
社外に対しては、CDP、日経環境経営度調査への継続対応を行うことで情報発信を実施等
C環境経営の推進体制の強化
本社と千代田工場のISO14001認証継続更新
環境ボランティア活動参加促進制度「ECOニストプログラム」の導入
世界遺産である高野山町石道・熊野古道の道普請等を通じて社員への環境教育を実施等

(授賞理由)
 中期経営計画のグループ経営方針に環境重視を位置付け、グループ全体で総合的な交通環境対策を推進するとともに、CO2排出削減目標達成に向けた管理体制を確立し、目標を上回る改善量を達成していることが高く評価された。所有の森林を活用したCO2オフセットをはじめ、乗客や住民への啓発を含めた様々な取組を実施している。独自の環境活動参加促進制度を導入し、環境重視企業として社員が積極的に環境活動に参加する風土醸成を図っている。大阪府と環境に関するパートナー協定を締結し、沿線自治体、民間事業者、地域住民とも連携するとともに、エコツアー、パークスガーデン等により地域活性化にも貢献している。これらの総合的な一連の取組は、全国の事業者の模範となり得る取組であることから、大賞を授賞することとした。



【優秀賞】京成バス株式会社
「京成バスの『3S運動』」

(概要)
 京成バス株式会社では、行動規準に「環境保全・保護」を掲げ、環境的に持続可能な交通事業者であることを目指しており、それを具現化する取組として、平成19年12月より「安心(Smile)・安全(Safety)・省エネ(Saving energy)」の「3S運動」を推進している。
 3S運動のもと、従業員に対する啓発(ヒト)、環境対応設備の導入(モノ)、地域社会との協力(環境)など多様な取組を統合することで、全事業範囲において環境保全活動を進め、環境的に持続可能な交通事業者であることを目指している。

従業員向けの啓発活動として、エコドライブ等で優れた成績を残した社員を表彰する制度を設け、全従業員の環境に対する意識啓発を実施
機器設備面の取組として、国産第1号となる電気バスをはじめ、CNGバス、ハイブリッドバスといった低公害車両の積極的な導入、営業所施設等における太陽光発電設備の導入等を実施
千葉市エリアにおけるパーク&バスライド、サイクル&バスライドの導入、千葉市幕張地区における連節バスを用いたBRTの整備、東京都江戸川区等における高速輸送(環七シャトルバス)等、公共交通の利用を推進する取組や、ソーラーパネル付きバス停標識の導入、環境に優しいリサイクルベンチの導入等、沿線地域の自治体・住民等と連携した取組の実施  等

(授賞理由)
 ハード、ソフトの両面から多様かつきめ細かな交通環境対策を積極的に推進している。環境対応設備の導入、従業員に対する啓発、地域社会との協力など多様な取組を複合し、全事業範囲において環境保全の取組を進めており、環境的に持続可能な交通事業者を目指した一連の取組が評価された。


【奨励賞】秦野市
「はだの交通スリム化に向けた取り組み」

(概要)
 秦野市では、平成16年度の秦野市TDM実施計画の策定、平成21年度までの5か年で市民、事業所、交通事業者等と協働して11のTDM施策に取り組んだ「はだの交通スリム化プロジェクト」、平成22年4月に同プロジェクトの総括と今後の秦野市でのTDM施策について「はだの交通スリム化に向けた提言」を取りまとめる等の取組を行ってきた。同提言で新たに加味した地球温暖化対策の視点も踏まえて施策体系を見直しながら、「はだの交通スリム化」に向け自発的でかつ継続的に取り組むことができる施策の定着化と強化を図るため、下記の事業を推進している。

【公共交通の利用促進】
バスロケ―ションシステムの導入時の支援(平成21年度)
乗合タクシーの運行支援
高速バス利用者用駐車場の整備  等
【エコ通勤事業】
10年間で合計13回のイベント型ノーマイカーデーを実施
平成22年度からは事業所が年間を通じ自主参加型の取組を実施
平成25年度には「交通スリム化協力事業所等表彰」制度を創設  等
【小学生向けモビリティ・マネジメント(交通スリム化教育)】
平成17年度から市内全13小学校を対象に、毎年輪番制により実施。現在3順目に入っているほか、平成24年度からは学校が主体的に実施する取組も開始
平成22年度から教職員を対象とした研修会(有識者の講演と模擬授業から構成)を開催し、多くの学校が毎年度参加  等

(授賞理由)
 秦野市では、市民、事業所、交通事業者等と協働し、多様なTDM施策、MM施策を積極的に展開している。地域との繰り返しのコミュニケーションにより、毎年少しずつ改善を重ね10年にわたり取組を継続し、一定の環境改善効果をあげている。地域に根ざし日々の努力を重ね、継続的に取組を推進している点が評価された。


【奨励賞】電気自動車等を活用した伊勢市低炭素社会創造協議会
「おかげさまAction! 〜住むひとも、来たひとも〜」

(概要)
 電気自動車等を活用した伊勢市低炭素社会創造協議会(以下、協議会)では、平成25年3月に行動計画「おかげさまAction!〜住むひとも、来たひとも〜」を策定し、電気自動車等を活用した低炭素な社会の実現に向けて、取組を進めている。

【電気バスの導入】
協議会参画者である三重交通株式会社において、国内初となる大型電気バス(国産)の営業運転を平成26年3月末より実施
「ピカチュウ電気バス」の愛称で親しまれ、市民・観光客に伊勢の交通環境の取組を視覚的にも訴求  等
【電気自動車等を活用したエコな観光キャンペーン】
公共交通機関による伊勢への来訪と、市内を電気バスや電気自動車等にて周遊する企画として、「おかげさまAction!エコスタンプラリー」を開催
電気自動車の無料レンタルや市内の観光スポット、和菓子店における割引、プレゼント等、参画者・地域が一体となってエコな観光キャンペーンを実施  等
【電気自動車等の普及啓発と電気自動車用充電器の整備促進】
市内外の環境・観光関連イベントや防災訓練等において電気自動車等の普及啓発を実施
市内事業者向けの充電器設置説明会、充電器設置ガイドブックの策定等の電気自動車用充電器の整備促進を実施  等

(授賞理由)
 電気自動車等を活用し、低炭素社会の実現ならびに地域の活性化を産学官等で構成する協議会により推進している。行動計画のもと、電気バスの路線運行、超小型モビリティを活用した観光・地域活性化、電気自動車用急速充電器の設置など環境に配慮した取組を各主体において積極的に推進しており、これらの一連の取組が評価された。

     
     
 
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