公共交通機関は、通勤・通学・買い物、通院など、私たちの日常生活の移動手段であり、運転免許を持たない学生、高齢者に欠かせない移動手段であるとともに、最近増えてきている高齢ドライバーの交通事故を未然に防ぐための必要移動手段です。また、個人個人が自家用自動車で移動するのに比べ、電車の二酸化炭素排出量は約8分の1、バスは3分の1と、環境にやさしい交通手段となります。 しかしながら、和歌山市においても少子高齢化・人口減少社会の急速な進行や自家用自動車による移動の分担率が高いことから、公共交通の利用者が減少し、路線の廃止・減便等でサービスの低下が起こり、さらに利用者が減少する負のスパイラルに陥っています。生活に欠かせない交通手段である地域公共交通を持続可能にしていくためには、市民やさまざまな関係者が連携・協働し、公共交通を利用しやすいまちづくりを考えなければなりません。 本セミナーの前半は、学識経験者から連携・協働による環境にやさしい交通まちづくりに関する基調講演をいただき、次いで、先進自治体の交通担当者から取組の紹介を含む特別講演をいただきました。後半は、連携・協働による環境にやさしい交通まちづくりに向けて、講演いただいた方々に、市民団体、地元自治体、国を加え、パネルディスカッションを通じてこの問題を検討しました。