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EST普及推進事業とは ESTを目指して ESTデータベース ESTリンク集
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  交通エコロジー・モビリティ財団 交通環境対策部
 海外 パリ(フランス)
 
  ESTデータベース記載事項仕様
 
パリ市の軌道系ネットワーク
図 パリ市の軌道系ネットワーク(赤枠部分が2006年に整備されたトラム路線"T3")
T3を走行するLRV
図 T3を走行するLRV
 
T3整備に併せて実施された道路空間再配分
図 T3整備に併せて実施された道路空間再配分
レンタサイクルシステム"Velib"のデポの配置
図 レンタサイクルシステム"Velib"のデポの配置
 
図 レンタサイクルシステム"Velib"のデポ
 
レンタサイクルシステム"Velib"の貸出端末
図 レンタサイクルシステム"Velib"の貸出端末
 
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(1)地域概要

 
対象国
 フランス
対象市
 パリ
地域概要
 人口 217万人(都市圏:1184万人)
 面積 105km(都市圏:14518km
交通特性(交通手段別の分担率)
 
<パリ市内々トリップ>

公共交通
自動車
二輪車(自転車を含む)
徒歩
その他
30
12

54




<パリ市内外・外内トリップ>
  公共交通
自動車
二輪車(自転車を含む)
徒歩
その他
49
46






       
       
(2)取組

  ○自動車交通需要の抑制と代替交通手段の利便性向上によるEST

概要
     パリ市は人口密度が高く、軌道系を中心とした公共交通ネットワークも発達していることから、大気汚染等の公害対策を主たる目的として強力な自動車交通需要の抑制政策を打ち出している。その中心は道路空間の再配分による自動車交通容量の削減であり、代わりにLRTや自転車道を整備し代替交通手段への転換を図っている。また、自転車利用の促進策として、2007年に世界最大のレンタサイクルシステムを導入している。
       
  地域計画での位置づけ
計画種類
計画など名称
   
策定年次
   
目標年次
   
環境関連目標値
(CO
   
 
 
EST事業に係る目標値
   
       
  取組手法
 
低燃費車導入
道路整備
交通管理の高度化
公共交通改善
歩行者空間の充足
行動変容
その他
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LRTの新設

バス路線の改編

バス専用レーンの設置

自転車道整備

歩道の拡幅

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レンタサイクルシステムの導入

ICカード

  レンタサイクルシステム"Velib"
  <背景・経緯>
     自動車交通需要の削減と代替交通手段への転換政策の一環として、2001年より、パリ市内の自転車道の拡張が開始された。しかし、多くの市民が自転車利用に不慣れな上、頻繁に発生する事故により自転車利用に対して否定的なイメージが定着し、それが高いハードルとなって利用の増加を妨げていた。そこで、自転車利用の契機を創出することを一義的な目的として、レンタサイクルシステムの導入が本格的に検討され、2005年に開始されたリヨンの都市型レンタサイクルの成功も追い風となり、2007年7月よりサービスが開始されるに至った。
  <運営システム>
     システムの構築・運営は広告会社SOMUPI(世界第二位の屋外広告会社JCDecauxの子会社)が受託した。SOMUPIが建設・修繕・システム開発・運営等にかかる一連の費用を拠出し,代わりに利用料金収入とVelibを活用した広告収入を得るという契約で、これによりパリ市はVelibへの投資を一切必要としないばかりか、料金収入の一部も得るというユニークな方式を採用している。また、契約には、SOMUPIが自転車道の整備も担当することが含まれており、自転車利用環境の改善と一体化した自転車利用の促進を行っている。
  <Velibの料金体系>
     Velib利用には会員登録が必要となり、年会員の登録料は29ユーロであるが、自転車利用の契機を創出すべく、1日会員:1ユーロ、1週間会員:5ユーロ、と気軽に利用できる会員種別も設定されている。デポに設置されている専用端末で、クレジットカードを用いて簡単に会員登録ができるうえ、端末はフランス語のほか、英語、スペイン語にも対応しており、観光客等も利用できるようになっている。利用料金は、最初の30分は無料、その後30分ごとに1ユーロ、2ユーロが追加料金としてクレジットカードに加算され、1時間30分以上の利用については、30分ごとに4ユーロずつ加算される(つまり2時間の利用料金は7ユーロ)。
  <Velibの導入・利用状況>
     2007年7月15日に車両数10,648台、デポ数750でサービスが開始された。その後、段階的にシステムの拡張がなされ、2007年末には20,600台、1,451デポ(約300m間隔)となり、世界最大のレンタサイクルシステムが完成した。
 車両は任意のデポで返却でき、上記のように最初の30分は無料であることから、97%が30分未満の利用となっている。また、2007年9月時点で、日平均7万回の利用があり、雨天時でも平均して4〜5万回の利用に達している。利用者は徐々に増えつつあり、最終的には日平均で20万回、自転車のシェアを2020年には6%(2006年は1.5%)にすることを目標としている。
 
  LRTの整備と道路空間再配分による自動車交通需要の抑制
     パリ市では、2006年12月に3路線目となるトラム路線"T3"が開業した。元来、パリ市は軌道系交通網が発達していることから、T3は道路交通容量の削減による自動車交通需要の抑制ならびに代替交通手段への転換を主たる目的として、パリ市外延に位置する南部環状道路に沿うように建設され、自転車道の整備や歩道の拡幅等も併せて実施された。最終的に、自動車通行帯は片側3車線から1〜2車線になり、建設工事期からの道路交通渋滞も相まって、結果として経路変更や代替交通手段への転換が進み、当該地域の公害が大幅に削減されるに至っている。
 
(3)効果

       
       
(4)評価

     レンタサイクルシステムは、利用の偏りによって最寄りのデポで借りたり返却できない等の課題があるものの、徐々に利用者が増加し、市民生活に浸透しつつある。これは、デポを非常に蜜に配置した大規模なシステムであることによる。そして、そのようなシステムの導入を実現したのは、広告会社とのユニークな契約による部分が大きく、財源確保の観点においてわが国でも大いに参考となろう。
       
       
(5)連絡先、関係窓口

   

パリ市自転車政策担当者:Didier Couval
電話番号 +33-1-40-28-70 21
FAX番号 +33-1-40-28-70 30
メールアドレス Didier.Couval@paris.fr

     
 
目次
 

 
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