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  交通エコロジー・モビリティ財団 交通環境対策部
 対象地域 クリチバ市(ブラジル)
主な方向性
更新日時
集約型都市構造
平成20年2月
  ESTデータベース記載事項仕様
クリチバ市の都市軸の考え方
図 クリチバ市の都市軸の考え方
クリチバ市の都市軸の基本的な断面構成
Figure 3
図 クリチバ市の都市軸の基本的な断面構成
出典)From IPPUC, Rabinovitch and Hoehn,1993 and Creating a Linear City with a Surface Metro, R. Cervero, UC Berkeley, 1995

クリチバ市バスチューブの様子

クリチバ市バスチューブの様子
Figure 4

図 クリチバ市バスチューブの様子
出典)Transport planning in the Stockholm Region, Stockholm County Council Office of Regional Planning and Urban Transportation Hans HedeMETREX/MoscowInternational workshop June 2006
 
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(1)地域概要

 

対象国
 ブラジル
対象州
 パラナ州
対象市
 クリチバ市
地域概要
 市人口 146万人:2006年
 面積 432km
交通移動概要(トリップ比率)
 自動車分担率  ――%
 公共交通分担率 ――%
 徒歩・自転車 ――%

       
(2)取組

  BRTと都市計画の総合パッケージによる集約型都市構造

概要

   

 クリチバ市は1970年代に現在で言う集約型都市構造をなすマスタープランを策定し、それに基づき、5本の開発軸を設定した。開発軸は並行する3本の道路(一方通行の幹線道路2本とバス専用道路を中央に配した4車線道路1本)からなる線状空間で、開発軸上のみ高密度な複合用途開発が認められる。
 これら5軸にバス専用道を基幹とする交通ネットワークを形成するとともに、都市計画の点からも交通軸線上に高度な土地利用を達成した先導的な環境都市である。また交通分野だけでなく環境対策などをパッケージで行い複数分野間での連携による持続可能な都市を実践した世界でも稀有な都市である。

 
  取組手法
 
低燃費車導入
道路整備
交通管理の高度化
公共交通改善
歩行者空間の充足
行動変容
その他
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開発軸上での幹線道路整備
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BRT
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開発軸上への新規高密度開発誘導
  土地利用連携型BRT
     1970年代、実質的に世界で始めて導入されたバスラピッドトランジットシステムである。中心地区から5方向に設定された開発軸上のバス専用道路で大量輸送できる幹線バス輸送システムを実現した。需要が増加した1992年以降順次システムを高度化し、現在では、3連節バス、運賃事前収受、かさ上げチューブ型バス停を組み合わせて、ピーク時片方向15000人以上を輸送できる。一般市街地走行の支線バスや環状路線と組み合わせたRIT(統合ネットワーク)になっており、乗継は追加運賃なしで何度でもできる。
 特に同市のBRTの特徴は、幹線道路は中央のバス専用レーンを挟み両側に一般車用の一方通行の道路が伸び、バスレーンと一方通行路の間の土地は、道路周辺の土地と併せて、容積率をアップし、道路やその他の公共施設整備、または土地利用のゾーニングのために収用した土地との交換用地としたものである。このため高層の建物が幹線道路及びその周辺に集中し、交通利便性の向上、商業、ビジネス地域の集積を生むことに成功している。
 
各交通軸上に高層ビル開発がされているクリチバ市街地
図 各交通軸上に高層ビル開発がされているクリチバ市街地
出典)An Incentive-Based Approach to Curbing Automobile Use in the Washington, DC Metropolitan Area,
Emily Freimuth, Daniel Selden, Andrew Kimmel, Brendan Shera
 
交通軸形成の概念
 
  統合的な都市開発
     クリチバ市の都市計画のマスタープランを策定した専門家グループを母体とし、1965年にInstitute of Research and Urban Planning of Curitiba(IPPUC:クリチバ都市計画調査研究所:ポルトガル語ではInstituto de Pesquisa e Planejamento Urbano de Curitiba)を設立し、同研究所は現在百数十人の規模になっている。
 計画の実現では「マトリックス」と称する開発関係者全員による協議で計画を立案する方式を取り、市長と同研究所を中心とした市役所各部幹部とのミーティングを毎週水曜日に開催し、重要事項を討議することにより、1970年代に策定したマスタープランの方向性を土地利用、即ち交通、緑化などの施設整備と福祉、教育、環境教育、産業政策などの社会的なプログラムとが非常にうまく一体化した計画として実現している。これにより集約型の都市構造の達成に至っている。
 結果として人口150万人に対し自動車保有台数は約65万台との報告もあり、自動車に頼り過ぎなくても生活や経済活動な都市となっているといえる。
 
(3)効果

  1)実施の効果
    自動車からの転換
    1970年代からの実施策のため自動車からの転換は明確には把握されていないが、急激な経済成長、自動車利用増加の傾向において他都市に比べ自動車利用の上昇を抑止できたと定性的には考えられる
       
    COの削減
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  2)効果検証の手法の特徴
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(4)評価

   経済成長と環境と社会の3つのバランスを、道路と土地利用と公共交通を統合的に整備、交通、経済、環境、健康などの複数の分野で連携して都市プランニングおよびマネジメント実現し、成功させた事が本都市の最大の特徴である。
 また持続可能な都市としての成功故、近い将来バス需要が輸送量を上回る事が確実視されている。
その対策として市内を縦断している高速道路を郊外に迂回させ、その跡地にモノレール形式による新交通システムの建設を計画しているとの事である。このように、持続可能な都市として成功しつつも次の課題に対して如何に対峙していくかという点で引続き注目すべき都市である。
 
(5)連絡先、関係窓口

    クリチバ市ホームページ(ポルトガル語)
http://www.curitiba.pr.gov.br/
その他関連ホームページ(ポルトガル語)
http://www.ippuc.org.br/pensando_a_cidade/index_transpcoletivo.htm
目次
 
 
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