大分県の離島である姫島にはバス・タクシー事業者がなく、フェリーで訪れた観光客の島内での交通手段確保策として、小型EVを活用したレンタカー事業に取り組んできました。超小型モビリティ、グリーンスローモビリティ、電動キックボード等の計29台の多様なEVを、カーポートに設置した太陽光発電と蓄電のシステムを用いて充電することで、ゼロカーボン・ドライブを実現しています。村役場の観光情報でも島の新鮮な空気と開放感を味わえる島内移動手段として位置づけています。さらに、保有するEVを他地域にも貸し出し、長年の実績をもとに国内外でのEV普及を促進しています。 以上が評価され、今年の第13回EST交通環境大賞において、T-PLAN株式会社、一般社団法人姫島エコツーリズムによる「離島の課題に再エネと小型EVを活用した取り組み」が大賞【国土交通大臣賞】を受賞しました。 姫島での取組は、離島だけでなく様々な地域の観光・生活交通への応用が見込まれ、地域課題解決と同時に脱炭素化を実現する好事例といえます。本セミナーでは、環境的にも社会経済的にも持続可能な地域交通と観光に関する講演、姫島村の取組紹介とともに、意見交換を通じて姫島村での住民生活における移動手段としての定着を含めた今後の展開や、他地域で交通の脱炭素化や住民・観光客への意識啓発に取り組む際に起きる課題や解決策などについて議論しました。
国土交通省九州運輸局、姫島村、EST普及推進委員会、 公益財団法人交通エコロジー・モビリティ財団