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(1)地域概要 |
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●対象国
日本
●対象都道府県
北海道
●対象市町村
旭川市
●地域概要
人口 35万人(従業者数 19万人 平成14年時点)
面積 747km2
●交通特性(交通手段別の分担率)
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自動車分担率 73.4%(平成15年PT調査)
バス 3.1%
鉄道 0.5% |
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(2)取組 |
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国内随一の歩行者道路と観光集約拠点を抱えた地方都市型EST
●概要
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昭和40年代に長大な歩行者道路導入の先駆けとなった社会実験を行い、歩行者が主役の都心都心づくりの先鋭となった同地域において、車中心社会が浸透し、近年急激に集客が増加した観光地旭山動物園を抱えつつ、都市経営コスト・環境に対する負荷の小さな都市構造の形成のための効率的な都市運営が可能で環境負荷の小さなコンパクトな市街地形成を支える都市交通づくりに向けたEST。
特に観光地である点も配慮し、休日交通対策を重点にしている点に特徴がある。
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●地域計画での位置づけ |
計画種類
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総合計画
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環境基本計画
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総合交通体系調査
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バス活性化計画
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自転車駐車場計画
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計画など名称 |
第7次 旭川市総合計画 |
確認中 |
旭川都市圏交通マスタープラン |
旭川市バス交通活性化計画 |
旭川市自転車駐車場基本計画 |
策定年次 |
***** |
*****
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2004年
平成16年 |
2008年
平成20年
(策定中)
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2008年
平成20年
(策定中) |
目標年次 |
***** |
***** |
****
明示無し |
2017年
平成29年
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2017年
平成29年
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環境関連目標値
(CO2)
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***** |
***** |
二酸化炭素16万tの削減 |
環境負荷を高めないよう一定の輸送効率(5人/台以上)を目安とする |
二酸化炭素の削減は言及されていない |
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●ESTに係る目標値 |
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概算排出量:383万t−CO2/年間(38万人×10.1t―CO2/年間)
概算自動車排出量:68万t−CO2/年間(38万人×1.8t―CO2/年間)
目標年次 :*******
****** t−CO2/年間の削減
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●取組手法 |
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低燃費車導入
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道路整備
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交通管理の高度化
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公共交通改善
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歩行者空間の充足
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行動変容
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その他
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○
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○
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○
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○
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○
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観光地アクセス分散案内誘導
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バス停改善
バス優先レーン
バス路線の優先除雪
DMV構想
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買物公園 |
各社共通バスマップの配布
小中学校教材でのバスマップ配布
「まるごと路線バス学習会」
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●休日観光来訪交通のアクセス分散誘導 |
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年間140万人以上が来訪するようになった旭山動物園への来訪者渋滞対策として、来訪方面別にアクセス道路の案内誘導を戦略的に行い、渋滞の大幅な解消に成功している。
また観光ピーク時期においては同時に周辺駐車場と連携したパーク&シャトルバスを実施することで過度な渋滞の緩和に成功している。 |
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図 案内標識導入による渋滞削減効果
出典)関係機関が連携した案内ルートの設定と標識設置による旭山動物園の渋滞緩和、北海道開発局旭川開発建設部
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図 GW時のシャトルバス運行
出典)旭川都市圏のあすの交通−旭川都市圏パーソントリップ調査より−、平成16年、北海道
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旭川平和通買物公園 注)旭川市HP 平和通買物公園今昔 より抜粋、一部修文
昭和30年代後半、車社会の到来により、当時の旭川市平和通りは、1日の自動車交通量が約1万5千台という、道北の交通を担う幹線道路となっていた。こうした社会の大きな変動の一方で、生活者の安全確保や環境保護などのさまざまな都市問題が表面化した時代でもありました。
こうした中、昭和38年に、平和通の車両通行禁止と路面の公園化構想に関して商店街、青年会議所、市の間で話し合いが持たれ、翌年の昭和39年には、当時の五十嵐広三市長が市政方針演説の中で平和通買物公園構想の立案を発表しました。「買物公園」という名称はこの市政方針演説の中で歴史上にはじめて登場した。
昭和40年には旭川市の長期計画「旭川市の街づくりの方向」が発表され、その中で買物公園を造成する計画が明記されたなか、多くの市民から交通量の多い国道である平和通りを本当に車両通行止めにすることができるのか。自動車が通れなくなったら商店街の客足が減るのではないか。店への商品の搬入はどうするのか。多くの課題の前に、商店街や市民から平和通りを通行止めにして買物公園化することについて、疑問や躊躇の声があがった。
これに対して、「社会実験」を行ってみることとなり、期間限定で買物公園を実施し、その結果を見てから本格的に造成するかどうか判断しようとした。実験は昭和44年8月6日から17日までの12日間に限り実施された。 |
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多くの困難を乗り越えて実施された社会実験は、12日間で延べ推定93万人の人出となり、大成功に終わった。アンケートなどを通して多くの市民が買物公園について期待し、支持していることが明らかになり、本格造成への気運は一気に高まるなか、翌年の昭和45年には、ニューヨークの五番街や東京の銀座で日曜日限定での歩行者天国が実施され、買物公園の構想が受け入れられる状況も徐々に形成されてきた。
その後、昭和45年に国道部分が市道へ移管され、翌昭和46年には残りの道道部分が市道へ移管され、昭和47年3月に歩行者専用道路として公示、同年4月に造成工事に着手後、ついに同年6月1日に、「旭川平和通買物公園」としてオープンし継続している。近年では平成10年から5年間にわたり、路面整備工事を実施し、平成15年3月にロードヒーティングが導入された、現在に至るまで継続している。
なお近年は周辺の駐輪場不足による放置駐輪約3,000台の問題が顕在化するなど、豊かな歩行空間の継続に課題が発生している。 |
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●ショッピングセンター来客用無料循環バス |
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郊外大型店が車だけに頼らない来訪を促す一環として1時間に一便無料循環バスを運行し、来訪客の増加、マイカー以外での来訪手段の提供に貢献している。 |
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図 無料循環バスの経路と利用者動向(平成18年度)
資料提供:資料提供:イオン北海道株式会社
出典)旭川市バス交通活性化計画(素案)平成20年2月
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●学生サービス定期券 |
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旭川市内の高校や大学は郊外に点在しており、通学時は乗り継ぎすることも多い状況にあり、高校生以下の学生は、マイカーを運転することが出来ず、全般的に金銭的余裕がないことが多いことから、教育支援の観点からも通学にかかる負担を軽減するための施策として、学生サービス定期券を導入している。 |
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図 学生サービス定期券
出典)旭川市バス交通活性化計画(素案)平成20年2月
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●路線バス活用ガイド |
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旭川市では平成16年度から「路線バス活用ガイド」(右)を作成している。
公共交通(路線バス)への利用転換で、環境問題に対しても資するなど、かしこいバスの使い方を分かりやすく解説し、クルマからバスへの利用転換の促進を図ることを目的としている。 |
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●複数会社共通バスマップの配布 |
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バス利用を促すため、複数の会社の路線が一望できるバスマップを試験的に作成し、配布している。 |
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●小中学校教材でのバスマップ配布と「まるごと路線バス学習会」 |
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児童・生徒によるバス乗車を宿泊研修などの課外授業で取り入れている小中学校等から要望があった場合に、教材としてバスマップを提供し、実際の乗車を通じ、公共交通としての路線バスの役割を学習する機会をもうけている。
小学生とその保護者を対象に、路線バスの体験乗車など、親子参加型の学習会を通じ、マイカー依存からの意識転換と公共交通の維持・確保の重要性を学ぶことによって、地域における路線のバスの役割や環境保護について理解を深め、啓発を行っている。 |
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図 旭川市バスマップ
出典)旭川市バス交通活性化計画(素案)平成20年2月
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●DMV構想 |
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旭川市を含む上川支庁の自治体により、「上川支庁DMV導入検討会議」を結成し、旭川空港〜美瑛などを結ぶ路線の構想を検討し。マイカーだけに頼らない地域観光交通として期待している。 |
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図 旭川観光ネットワーク整備構想
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(3)効果 |
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●実施の効果 |
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GW時の渋滞8kmが1.4kmに減少 |
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●効果検証の手法の特徴 |
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特に無し |
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●速度変化の把握 |
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・なし |
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●温室効果ガス排出削減の試算方法 |
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・直接は試算していない |
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(4)評価 |
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車依存度の強い地域であるが、観光については繁閑に応じて柔軟な渋滞対策を実施することで、急激な渋滞発生時期に比べ良好な休日交通環境が維持されていると言える。
日常的な交通対策としは、バス活性化の視点から段階的で幅広な取組みが進むとともに、民間商業者独自のバス運行の乗客が増加傾向にあるなど、車だけに頼らない生活への取組みは進みつつある。
昭和40年代に社会実験を介して専用歩行者道を導入するなど我が国でも先進的な取組みをしてきた歴史もあるため、上川支庁行政体で提案されているDMVの導入などが実現されれば、車型都市におけるESTのあり方に一石を投じる可能性もある。 |
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(5)連絡先、関係窓口 |
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旭川市 都市建築部 都市計画課
■TEL番号 0166−25−9704
■FAX番号0166−24−7009
■メールアドレス tosi_kei@city.asahikawa.hokkaido.jp |