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(1)地域概要 |
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●対象国
スェーデン
●対象郡
ストックホルム郡
●対象市
ストックホルム市
●地域概要
市人口 75万人:2006年
(都市圏人口180万人)
面積 87km2
●交通移動概要(トリップ比率)
自動車分担率 46%
公共交通分担率 28%(LRT1%、通勤列車3%、地下鉄12%、バス12%)
徒歩・自転車 26%
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(2)取組 |
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○交通網整備とロードプライシングの両立による成長都市対策
●概要
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ストックホルム市を含むストックホルム郡は、今後も人口の増加が見込まれるなか1990年代に都市部を通過する車両の迂回や公共交通の充実などの計画を策定し、段階的に交通整備を図ってきた。さらに同市では、都心部が中州に位置する都市形態を活かしつつ2006年度の実証実験を経由に2007年からロードプライシングを導入し都市部の自動車交通量の削減と各種整備費用の確保との両立で一定の成果を挙げているものである。
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●取組手法 |
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低燃費車導入
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道路整備
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交通管理の高度化
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公共交通改善
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歩行者空間の充足
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行動変容
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その他
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○
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○
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−
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○
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○
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−
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○
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バス、物流車への導入 |
環状道路整備
トンネル
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−
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バス路線新設
公共交通乗り継ぎ施設
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歩行者、自転車専用橋
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−
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ロードプライシング
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●ロードプライシング |
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2006年1月から7月の試行を行い2007年より本格実施となったものである。混雑時間に応じて都市部に進入する車両に対して、ストックホルム市の中心市街地の流入路18箇所で1回の通行横断あたり10から20クローネ(1から2ユーロ)の間で変動する課金方式である。なお緊急車両、バス、タクシー、ハイブリッド車、障害者車両、海外車両は、課金対象外となっている。試行課金はDSRC方式で実施した。
試行期間中は平均22%の自動車交通量の削減に貢献するとともに、走行速度も向上するなどの効果が得られている。また試行に先立ち、公共交通整備の集中実施、パーク&ライド駐車場の整備などを先行させた事に特徴がある。
良好な試行結果が得られた事もあり課金システムを変えつつ2007年8月1日から本格実施となっている。 |
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図 2006年試行時の期間中の都市部進入交通量の減少状況と課金費用の表示状況
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図 2006年試行時と試行前の平日午前の走行速度変化
(非渋滞時の速度に対して割合、100%を超えるほど遅いことを意味する)
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●
公共交通の改善 |
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鉄道新設の開通、既存路面電車の改良などを2005年8月までに実施した。バス車両については197両の新規購入を行い16のバス路線を新設し、公共交通の利便性を高めた。これによりストックホルム市周辺部から都市部への移動の利便性、移動時間の短縮を図っている。 |
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●
パーク&ライド |
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ロードプライシング策の試行前2005年の秋に新設された。課金地域の外側の乗換え箇所に7000~8000台規模で設置された。 |
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図 パーク&ライド駐車場の位置
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(3)効果 |
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●1)実施の効果 |
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交通量の減少
市中心部への交通量約22%減少
CO2の削減
ストックホルム市全体で2〜3%の削減、市中心部に限れば14%の削減効果 |
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●2)効果検証の手法の特徴 |
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決め細やかな評価計画
ロードプライシングの導入効果については、各種交通データ、市民意識データなど詳細な把握がされ、逐次公開されている。 |
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(4)評価 |
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ストックホルム市では1980年代から段階的に公共交通網および道路整備を充実してきており、同時に整備に掛かる費用の確保について論議をしてきている。ロードプライシング構想自体も1990年代にも深まった時期がある中で、十分な賛意が得られる実施に至らなかった経緯がある。このような検討の歴史を背景として、地理的にゲートを設置しやすいという条件のもと、2006年に試行が行われ交通量の削減および都市部での二酸化炭素排出の削減には大きな成果を得られた。但し、政策としての導入については賛否両意見がある中で僅かな差で賛成が上回ったことで2007年8月からの本格実施に至った。このように歴史的背景、及び取組の効果が出つつもロードプライシングの導入自体は容易でない点で注意が必要である。 |
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(5)連絡先、関係窓口 |
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Swedish Road Administration
SE-781 87 Borl?nge, Sweden
■e-mail:www.vv.se.
vagverket@vv.se.
■Tel: +46 771
119 119. Fax: +46 243 758 25
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■ロードプライシングに関する情報ページ |