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(1)地域概要 |
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●対象国
日本
●対象県
広島県
●対象市
広島市
●地域概要
人口 114万人
面積 905km2
●交通特性(交通手段別の分担率)
通勤通学交通手段分担率(平成12年国勢調査、カッコ内は平成2年国勢調査) |
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鉄道・電車
バス
自動車
バイク
その他 |
20.6%
20.3%
43.7%
11.5%
3.9% |
(17.4%)
(28.0%)
(38.5%)
(13.0%)
( 3.1%) |
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(2)取組 |
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○明確な数値目標に基づくシームレスな交通体系の実現
●概要
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広島市は、路面電車の車両数ならびに年間輸送人数が日本一であるなど、他の地方中核都市と比較しても軌道系交通機関の密度が高いにも関わらず、自動車のCO2排出割合が全国平均に比べて高く、公共交通利用者数も平成6年をピークに減少傾向にある。
そこで、自動車に過度に依存するこれまでの交通体系を見直し、道路と公共交通の持つそれぞれの役割を考慮しつつ、交通体系の軸足を公共交通にシフトしていくことを政策理念とした「新たな交通ビジョン」を平成16年6月に策定し、路面電車のLRT化や交通結節点の改善等による公共交通利用の推進、自動車専用道路の整備や都心を通過する自動車交通の排除等の道路交通施策、パークアンドライドやノーマイカーデー運動などの交通需要マネジメントの推進等を総合的に展開している。
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●取組手法 |
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計画種類
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基本構想
(全般)
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基本計画
(全般)
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実施計画
(全般)
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交通計画
(交通)
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実施計画
(交通)
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計画など名称
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広島市基本構想
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第4次広島市基本計画
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広島市実施計画
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新たな交通ビジョン
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交通ビジョン推進プログラム2005−2007 |
策定年次
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1998年
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1999年
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2005年
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2004年
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2005年 |
目標年次
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---------
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2010年度
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2007年度
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---------
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2007年度
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環境関連目標値
(CO2)
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---------
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---------
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---------
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2,010t-CO2削減 |
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●ESTに係る目標値 |
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概算排出量: |
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運輸部門におけるCO2排出量の内訳(1999年度、単位:万t−CO2) |
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交通手段別CO2排出量
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比率(%)
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自動車 |
166.7 |
90.2
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鉄道 |
4.4
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2.4 |
船舶 |
12.6
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6.8 |
航空機 |
1.2 |
0.6 |
合計 |
184.9 |
100.0 |
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注)広島市総排出量632万t−CO2/年間の29% |
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目標年次: |
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CO2排出量を約2,010t-CO2削減
平成18年度 1,178t-CO2削減
平成19年度 829t-CO2削減 |
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●取組手法 |
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低燃費車導入
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道路整備
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交通管理の高度化
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公共交通改善
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歩行者空間の充足
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行動変容
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その他
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○
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○
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○
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○
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○
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○
|
○
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バス
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自動車専用道路
国道(道路拡幅・バイパス整備)
都市計画道路(都心を通過する自動車交通の排除)
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公共交通運行情報提供システムの充実
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低床バス車両の導入
LRVの導入
住民主導型乗合タクシーの導入
結節点整備
主要駅のバリアフリー化
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歩道の整備
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モビリティマネジメント
ノーマイカーデー運動の推進
時差出勤の推進
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路上荷捌きの自粛
パークアンドライド用駐車場の充実
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●都市計画道路の整備(都心を通過する自動車交通の排除) |
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広島市の中心部であるデルタ区域(太田川河口部に形成された三角州地帯)に出入りする車の数は1日約31万台であり、そのうち約11万台が通過交通である(広島都市圏都心部交通計画調査報告書、1997年度)。そこで、都市計画道路からなる2重の環状道路網を整備し、通過交通の都心部流入抑制を図っている。
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●
公共交通運行情報提供システムの充実 |
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バス・路面電車・船舶などの移動体や駅・空港・港などのターミナルに設置されたモニター画面を通じて、公共交通に関する総合的な情報を提供する「Moving-i」システムが平成16年より本格運用されている。各交通機関の時刻表や路線図、運賃情報、ターミナル施設までのアクセスやバリアフリー情報などの静的情報のほか、リアルタイムの運行状況や天気などの一般・地域情報も提供されており、事業者間の垣根を越えて広島都市圏全体を網羅している。さらには、携帯電話やPDA等を活用し、よりシームレスに情報収集を行なうことを可能とするi-TREKにより、低床路面電車の運行状況等の情報も入手可能であり、現在、国等の関係機関と連携し、提供情報等の充実を図っている。 |
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●
LRVの導入 |
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国産初の独立車輪方式・フルフラット100%超低床LRVである「グリーンムーバーMAX」を年3編成のペースで導入している。台車をコンパクトにすることにより、「グリーンムーバー」から20%も座席数を増やし、移動の快適性と輸送効率の向上を実現している。 |
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●
住民主導型乗合タクシーの導入 |
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高齢化が進んでいるにも関わらず路線バスの乗り入れがない地域の生活交通を確保するため、タクシー会社の協力のもと、住民主導型の乗り合いタクシー「やぐちおもいやりタクシー」が平成15年8月より運行されている。利用料金は1回300円(往復なら当日限り復路は100円)であり、特に利用資格等は設けていない。また、協賛商業施設で2000円以上の買い物をした人は復路運賃100円分を商業施設が負担するという特典がある。アンケート調査や実験運行を踏まえた経路・ダイヤ等の設定により、採算ベースの40人/日の利用を上回っている。 |
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●
ノーマイカーデー運動の推進 |
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2006年7月から毎月22日を「マイカー乗るまぁデー」と定め、市内事業所の従業員や市民に対してマイカー利用の自粛や時差出勤、相乗りの奨励等を行なっている。また、「マイカー乗るまぁデー」に併せてキャンペーンを実施し、イベント等の啓発活動を行なう傍ら、モニターに対してWebまたは紙ベースでCO2削減量やカロリー消費量のフィードバック等を行い、自発的な行動変容を促している。 |
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●
路上荷捌きの自粛 |
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都心部における荷捌きについて、駐車場所や駐車時間を限定するなどのルールを徹底することにより、効率的な荷捌きを実現するとともに、歩行空間の快適性や安全性を確保する。 |
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●
パークアンドライド用駐車場の充実 |
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周辺市町と連携して、駅周辺の民間駐車場の空情報等についてインターネットを通じて紹介している。また、平成12年より、駅周辺の商業施設等の駐車場を活用したパークアンドライド用駐車場の充実に取り組んでいる。 |
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(3)効果 |
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「マイカー乗るまぁデー」平成18年11月推進キャンペーン:24t-CO2(目標値は19t-CO2) |
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効果検証方法:モニター調査からの試算
・モニター登録人数:3,873人
・期間中に自動車利用の自粛や代替手段へ変更した延べ人数:7,002人
・期間中に自動車利用を控えた総時間6,194時間
・上記の数値を用いて、「CO2削減量」=「自動車利用抑制時間」×「自動車平均速度」×「自動車CO2排出量原単位」−「代替交通手段の利用時間」×「交通手段別平均速度」×「交通手段別CO2排出量原単位」により算出 |
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●2)効果検証の手法の特徴 |
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速度変化の把握
個々の調査による
温室効果ガス排出削減の試算方法
詳細は不明 |
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(4)評価 |
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広島市の取り組みが着実に進行している理由の一つとして、「新たな交通ビジョン」に引き続いて策定された実施計画「交通ビジョン推進プログラム2005-2007」の存在が挙げられる。プログラムでは、ビジョンの方向性に即して、実効性が高いと思われる施策を絞り込んだ上で、期間中に実施するものと検討・調整を行なう施策を分類すると共に、実施施策については可能な限り個別施策ごとの数値目標を定めている。また、検討・調整を行なう施策のうち早期実施が可能となったものについては順次そのステータスが更新される。これにより優先順位の明確化と施策間の連携を担保すると共に、効率的な投資による目標の早期達成を目指している。 |
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(5)連絡先、関係窓口 |
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広島市道路交通局道路交通企画課
■電話番号 082-504-2754
■FAX番号 082-504-2379 |